MaaS Global、Quickoを買収しブラジルに進出

ヘルシンキ(2022年3月24日フィンランド現地時間)- MaaS(Mobility-as-a-Service)プラットフォームの世界的リーダーであると同時に、多数の受賞歴をもつモバイルアプリWhim(ウィム)を提供するMaaS Global Ltd.(本社:フィンランド、ヘルシンキ市、以下、MaaS Global)は本日、ブラジルのMaaSリーディングカンパニーであるQuicko社の買収を発表しました。WhimとQuickoは共に、自家用車に代わる持続可能なモビリティを都市に提供することで、世界の交通事情に変革をもたらすことを目指しています。


MaaS GlobalのCEO兼創業者であるSampo Hietanen(サンポ・ヒエタネン)は、次のように述べています。「ブラジルのサステナビリティを飛躍的に向上させる大きなチャンスであると考えています。歴史的に見て、生活水準の向上とともに自家用車の保有台数も増加してきました。これを節目として、ブラジルの人々をMaaSサービスへと直接的に導くことができ、デジタル技術による新たな飛躍的な貢献によって、ブラジルでは自動車所有増加という段階を飛び越えることになるでしょう。これにより、人々の生活が快適になり、都市の交通問題が解決され、CO2排出量も効率的に削減できるでしょう。最新のIPCC報告書*にあるように、世界はすでに気候変動の影響を受けているため、対策の必要性はより一層高まっています。Quickoと共にブラジルの人々に、自動車を所有するよりも公平でサステナブルな移動の自由を提供したいと思います」

Whimは、商業的なMaaSのフルサービスを提供できるソリューションとして現在、ヨーロッパおよびアジア市場でサービス提供を行っています。膨大なユーザーアクセスを有するQuickoは、Whimの技術により、より迅速に事業の収益化が可能になります。今回の買収により、MaaS Globalは、高い評価を獲得しているブラジルのパートナーを迎えるとともに、ラテンアメリカ市場での貴重な基盤を獲得することとなります。

50万人以上のユーザーを有するQuickoは、ブラジルの8つの都市圏と100以上の都市で展開しています。AIトリッププランナーが、各都市で利用可能な公共や民間の交通機関を組み合わせることで、スマートで最適な都市での移動を提供しています。また、Quickoはモビリティ決済も完全に統合しています。

QuickoのCEOであるPedro Somma(ペドロ・ソンマ)は、次のように述べています。「人々の移動体験を向上させる野心的な世界戦略において、MaaS Globalと力を合わせることができることを大変嬉しく思います。Quickoは、ブラジルの巨大都市での成長に成功し、毎月何十万人もの人々に影響を与えています。国や大陸を越える大規模なMaaS網を構築できる日が待ち受けています。両社がこの機会を共に捉えることで、お客様により多くの価値を提供し、移動という行動そのものを、より早く変化させることができると確信しています」

Quickoが支援を受けっているCCR*とJ2L* Partnersの両社は、MaaS Globalの株主となります。CCRはブラジル最大のインフラ企業の一つで、大都市の社会的・経済的発展を確保する方法として、都市型モビリティに投資しています。

CCRの新事業開発役員であるGustavo do Canto Lopes(グスタヴォ・ドゥ・カント・ロペス)は、次のように述べています。「ヒューマンモビリティー・インフラストラクチャーをリードするというCCRの事業戦略において、イノベーションの促進は重要な要素です。当社は、ラテンアメリカで最初にドライバーレス運行を導入した地下鉄運営事業者でもあります。Quickoに投資することで、顧客体験をさらに向上させ、またブラジルのテクノロジー・エコシステムの一翼を担うことができました。今回の取引により、QuickoとCCRのイノベーションへの取り組みが世界へと拡張され、人々の体験を変えることへの投資を続ける刺激になると確信しています。

J2LのLibano Barroso(リバノ・バロッソ)は、次のように述べています。「この取引により、我々はグローバル規模に到達し、技術力とビジネスモデルを向上させ、グローバルな都市モビリティ事業者として、最高の戦略と実践のための両輪を保有することができました。Quickoの設立以来、提供するサービスと質を大幅に向上させることに尽力してきた延長としての新たな一歩を踏み出せました。技術イノベーションを取り入れ、投資力を高めることは、私たちのビジネスにとって躍進的な成長につながります」
本取引では、NORキャピタルがMaaS Globalの財務アドバイザーを務めました。






*IPCC, 2022: 気候変動 2022: 影響・適応・脆弱性。気候変動に関する政府間パネル、第6次評価報告書、第2作業部会[H.-O.Portner, D.C. Roberts, M. Tignor, E.S. Poloczanska, K. Mintenbeck, A. Alegria, M. Craig, S. Langsdorf, S. Loschke, V. Moller, A. Okem, B. Rama (eds.) ]。Cambridge University Press。

CCRについて
1999年に設立されたGrupo CCRは、ラテンアメリカ最大規模のアーバンモビリティ・インフラストラクチャー事業者です。高速道路のコンセッション事業から始まり、その後ポートフォリオの多角化を図りました。2018年、Grupo CCRは4つのコア事業から、CCR Lam Vias、CCR Infra SP、CCR Aeroportos、およびCCR Mobilidadeの事業部を設置しました。これらの部門は、事業管理に加え、ブラジルおよび海外の一次および二次市場における新たな機会の分析および開発の責任を担っています。そのパイオニア精神により、インフラサービス業界で初めてNovo MercadoセグメントB3(旧BM&FBovespa)に上場したグループでもあります。

Grupo CCRは現在17,000人以上の従業員を有し、3,391kmの高速道路の保守管理を行うほか、空港の管理および地下鉄、VLT、バージ船の旅客輸送サービスを行い、1日あたり約200万人の乗客を輸送しています。8号線、9号線の運行開始により、乗客数は300万人に達する見込みです。空港分野では、ブラジル国家民間航空庁(ANAC)から中央ブロックと南ブロックを受注したことにより、パンプーリャ空港を含めて年間輸送人員は現在の2,300万人を超える見込みです。また、コーポレートガバナンスとして「インテグリティおよびコンプライアンス・プログラム」としてまとめられた最高水準の施策を経営基盤として採用していることで、国内外から評価されています。詳細については、grupoccr.com.br をご覧ください。

J2Lについて
J2Lパートナーズは、2012年に設立された独立系運用会社で、プライベート・エクイティおよびサード・パーティ・エクイティ投資、事業開発、資産運用、財務アドバイザリーに注力しています。J2Lパートナーズは、パートナーやチームの経験とバックグラウンドを生かし、市場調査や戦略的パートナーシップを通じて、新規事業を開発し、顧客と自社のために投資論文や事業計画を作成、検証、実行します。J2Lパートナーズは、現在、再生可能エネルギー、アーバンモビリティ、歯科の分野に投資しています。

J2Lパートナーズは、ファイナンシャルアドバイザーとして、これまでに重要なM&Aプロジェクトに取り組んでおり、特にヘルスケア業界等ではブラジルの主要企業が関与する取引に参画しています。J2Lパートナーズは、コーポレートガバナンス、持続可能性、コンプライアンス、エグゼキューション・エクセレンス、戦略的整合性を重視し、社会、パートナー、顧客のために価値を生み出すことを常に目指し、長期的な関係を構築しています。

Quickoについて
Quickoは、より便利に、より賢く街を移動するために必要な情報をひとつのアプリに集約しています。アプリの特徴として、バス到着時間のリアルタイム表示、最適な経路オプションの提案、交通カードのチャージ、バイク(自転車)シェアステーションの位置表示などがあります。また、乗客はバス経路の選択、旅程のモニター、交通事故の報告、ルートの共有が可能です。
2018年9月、Quickoは公共交通機関のユーザー・エクスペリエンスにフォーカスしたMobility-as-a-Service(MaaS)プラットフォームを開発するために誕生しました。設立にはCCRとJ2L Partnersから初期投資を受けました。現在、Quickoには60人以上の従業員が在籍し、都市に住む人々の通勤を向上させるアプリ開発を行っています。

MaaS GlobalおよびWhimについて
MaaS Globalは、Mobility-as-a-Service(モビリティ・アズ・ア・サービス、MaaS)分野を率いる世界的なリーダーであり、そのアプリ「Whim」はこれまでに各種の賞を受賞してきました。Whimアプリでは、ひとつのアプリから、登録されているすべての交通サービスをユーザーに提供することができます。MaaS市場で商業的にサービスを行うアプリの中で、初めてのオール・インクルーシブ型MaaSソリューションで、2017年11月のサービスローンチ以降、トリップ(旅程)件数は世界で1,600万回を超えます。Whimでは、ひとつのサブスクリプション契約で、電車・バス等の公共交通機関およびタクシー、カーシェア、その他多くの交通サービスから好きな手段を選び、好きなときに好きな場所へ移動することができます。また、Whimでは、サステナブルな移動方法を選ぶことができ、ユーザーの移動の習慣にも変化をもたらしてきました。

MaaS Globalは2015年に設立され、フィンランドのヘルシンキ市を本社拠点としています。様々な戦略的企業からの出資を受けており、出資企業には、三井不動産、Ferrovial、Tesi、NordicNinja、Vaudoise、デンソー、トヨタファイナンシャルサービス、Swiftcom、Karsan Otomotiv、Transdev、あいおいニッセイ同和損保などを含みます。Whimアプリは、Google PlayストアおよびApple App Storeからダウンロードいただけます。

https://whimapp.com/

英語のプレスリリース:
https://whimapp.com/news/maas-global-enters-brazil-by-acquiring-quicko/

本件に関するお問合わせ先
Johanna Sippo(日本語対応可)
Head of Communications in MaaS Global
press@maas.global

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この企業の情報

組織名
MaaS Global社
ホームページ
https://whimapp.com
代表者
Hietanen Sampo
資本金
680,000 万円
上場
非上場

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